ハワイでハピネスを届ける犬との日常(元保護犬と新たな家族の物語)

           

#09_ROXIE (HAWAII)
スエノブ由美子さん・ご主人さま・ロキシーちゃん

アメリカ人のご主人様と共にハワイ州オアフに住んでいる由美子さん。兼ねてから犬と暮らすことを夢見ていた由美子さんの願いはハワイへ移住したことで実現しました。ハワイでは日本のようにペットショップで犬を販売することはありません。ご主人様からのアドバイスで保護犬との出会いを考えることに___そこで人生の伴侶となる大切なギフトに出会います。黒いMIX犬のロキシーです。その出会いが繋がり、のちにセラピードッグの存在を知り、今ロキシーは由美子さんと共に様々な場所を訪れて愛と笑顔、そして癒しを届けています。今回はハワイで犬と暮らすリアルと共に、ロキシーと家族の物語を紹介します。

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元保護犬 ROXIE(ロキシー)のこと

2008年4月22日生まれ、11才の元気で可愛いMIX犬の女の子(2019.7時点)
2009年6月からハワイ州オアフに住む由美子さんご夫妻の元へ。
普段はセラピードッグとして活動し、オンとオフの切り替えをはっきりさせることができます。
人のために何かをすることが好きなロキシーは、遊び上手で平和主義だけどクールな一面も。
海とフリスビー、ココナッツの皮を剥くことが大好き。
自然豊かなハワイでの生活を満喫しています。

保護犬を家族に迎えようと決めたワケ、そしてロキシーとの出会い

ロキシーとスエノブさんご夫婦

保護犬を迎えるに至った経緯は?

「『犬を家族として迎えるなら動物保護センターから』というのが夫の条件でした。
その真意として、夫は犬を家族に迎える方法として動物保護センターから引き取る方法しか知らなかったそうです。それほどハワイでの保護犬譲渡は一般的なことです。
一方私自身は、保護犬を迎えるという選択肢も知識も全く無く、その考えを聞いたことで、はじめて保護犬の存在を知り関心を持つきっかけになりました。
その後、自分自身で調べながら保護犬の存在を少しづつ知っていった私は、戸惑うどころか大賛成。いつでも迎えられる準備をしなくては、と心弾み縁を心待ちにしていました。」

犬との暮らしを叶えた時のこと。

「常に犬と暮らすことを夢見ていましたから、自然な流れだと思いますが、私の場合、その夢が叶ったのはハワイへ移住してからでした。
私たち夫婦は保護犬との暮らしを希望していつでも迎えられる準備をしていました。
ただ、その矢先に私の子宮癌が発覚し、犬を迎えることは一旦見合わせることになってしまいました。
犬を迎えるためにもしっかり病気を克服しようと、病気と向き合い治療に専念することを決意しました。
そんな中、治療が始まって引きこもりがちになっていきそうな私に唯一の楽しみと希望を与えてくれる場所が動物保護センターでした。

ある日、センターに行くと、今まさにシェルターに連れていかれるらしき黒い犬が、私のほうに向かって歩いて来ました。
その犬はまるで私に、『ワタシをみて!ここにいるよ!』と言うように、とても輝いて見えました。その場に一緒にいた夫にもそう見えていたようです。
『この犬を迎えよう!』私と夫は同じことを思いました。
その黒い犬とは、後に私たちのもとに幸せをたくさん運んでくれた愛犬ロキシーです。
あの時、元気になって犬を迎えようという約束は守られませんでしたが、私たちはロキシーにタイミングを決めてもらったと思っています。
普段、物事を決めるときは私の意見も必ず尊重して確認をしてくれる夫が、私の返事も待たず手続きのカウンターへ行ったその姿を今でも鮮明に覚えています。」

”犬と人が共存できる社会”に向けて私たちが考えること

ロキシーとココナッツ

ロキシーが保護された経緯は?

「ハワイでは犬の保護経緯を知らせてもらえません。
ただ、ロキシーは迎えた時点で<お座り、伏せ、まて、おいで>などのしつけが完璧だったので、以前の家族は何かきっと切実な理由があったのだろうと思っていました。
とあるきっかけがあり保護理由を聞いたところ____理由は、ロキシーの病気でした。

実はロキシーは、しつけはパーフェクトでしたが、トイレだけはいつも失敗をしていて、私たちもその失敗が病気が原因とは気づかず、『トイレだけはいつまでも覚えてくれない』と夫によくぼやいていました。
当時私は癌治療をしていたこともあってトイレの失敗がとてもストレスで、それがロキシーにも伝わったんだと思います____漏らすまいと常に舐めて、寝ていても口で押さえているようにしてたんです。
後から尿のコントロールができない病気を患っていたことを知り、心から謝りました。」

関係の中で大切にしていることや意識は?

「愛犬は大切な家族でありながら犬であるということを尊重してあげたいです。
私は、”犬と人が共存できる社会”が理想的だと考えます。
できることならどこへでも一緒に行きたいので、それには最低限のしつけやマナーはとても大事だと思い徹底しています。また、緊急事態の場合、例えば災害や飼い主の事故で残された時のことも考えても、しつけやマナーは重要です。
ロキシー自身、どこでも一緒に過ごすことが出来るように、普段から今自分はどう行動すべきかがわかっているようです。そして犬の一生は人より短いので、どんなに忙しくても愛犬と過ごす時間とバランスも大切にしています。」

全てのことは神さまからのギフト

セラピードッグで人々を癒すロキシー

譲渡時から今までの関係性の変化を教えてください。

「譲渡時、治療中の私に代わって、お世話のほとんどを夫に任せっきりになり、当時1才半という遊び盛りの犬にとって日中のほとんどは療養中の私に寄り添っているだけの時間が多く、たくさん我慢させてしまったと思います。
そんなある日、通っていた病院で病棟内を歩く犬に出会いました。
その時に、はじめて”セラピードッグ”の存在を知りました。
当初から誰かのためになること、喜ばれることが大好きなロキシーでしたから、セラピードッグをはじめて知った時は、胸が高まり希望を感じました。
今ではその時出会ったセラピードッグのように、ロキシーもたくさんの人に元気と笑顔を届けるセラピードッグとして活動しています。
活動としては、フェスティバル、クリスマスパレードなどのイベントにセラピードッグチームで参加をし、セラピードッグの啓蒙活動をします。
他には、小学校や、大学といった教育現場やケアホーム、病院への訪問もあります。
小学校では障がいのある子ども達のクラスもあり、子どもたちは犬に本を読み聞かせてくれたり、ふれあいを通して犬との接し方だったり、命の大切さを学んでもらいます。
大学だと大きなテストの前のストレスフリータイムとして犬とふれあう時間を作ります。
現在ロキシーと私は、難病のお子さんがいるお宅に訪問したり、セラピードッググループから声がかかった際にスケジュールに合わせて該当施設に訪問をするという形で活動しています。
今思うとあの日、あのタイミングで私たちがロキシーに出会えたことも、セラピードッグの存在を知れたことも、神さまからのギフトだと思っています。」

ハワイで犬と暮らすこと__そしてスタンス

犬たちとビーチを歩くパレード

ハワイのリアルな犬事情を教えてください。

「ハワイで犬を家族に迎える時は動物保護センターか、正当なブリーダーから譲渡を受けます。
ペットショップで犬にプライスが付けられて販売されているのを見たことがありません。
そして、犬を迎えるとトレーニングクラスに通う家族がほとんどです。
ドッグランは利用料や証明書提出なども無く、どこもフリーで利用でき、ゴミ箱は街の至る所に設置されているので散歩中の便などを持ち歩くこともありません。
ハワイは”Dog heaven”と思われていますが、実際にはパブリックパークやビーチなど、意外とNo Animalのサインが設置されている所も多いです。ただそこは”しつけが出来てさえいれば、大抵の場所で遊ぶことができる”といったアバウトなところもあります。」

ハワイの動物保護センターや保護犬事情を教えてください。

「動物保護センターは自由に見学できます。観光でいらした方でも見学が可能です。
事前の申込みなどもなく、気持ちがあれば募金をする形です。
日本でイメージするセンターと大きく異なり、解放的で緑に囲まれてとっても明るいです。
明るく足を運び易いこともあり、ハワイの子ども達は幼少期から、週末になると両親に連れられてセンターのこと、保護犬のことを学べる機会があり施設を訪れます。
ハワイでも共に暮らす犬を手放す人があとをたたない現状はありますが、行政として殺処分をしないポリシーを貫き、”新しい家族探し”に力を注いでいます。
ボランティア精神の高いアメリカですので様々なボランティアの方が施設の保護犬を散歩したり、犬舎掃除や一時預かりなども積極的に行なっています。
また年間、動物保護センター主催のイベントも多くあります。
ポリシーは”1人でも多くの人に保護犬の存在を知ってもらうこと”です。
イベントには過去にセンターから迎えた犬と家族はもちろん、全ての犬と家族が参加できます。
中でも大きなイベントのPet walkにはアニマル全般、猫やウサギや亀など、ハワイ中のアニマルが集合してるんじゃないかと思う程、何千組もの家族が街を歩きます。
Pet walkはパレードとは違うので、ビーチパーク内や広い歩道を歩くため通行止めすることもありません。
ただ歩くだけでなく、様々なコンテスト、アニマル関連、フードやマッサージなどもあり、動物たちと一緒に楽しめるイベントです。
ある時は保護犬を引き取ったホノルル市長が参加されて挨拶することもありました。
ハワイではそういったイベントの収益金や募金と、多くのボランティアで動物保護センターが成り立っています。」

犬から受け取るたくさんのHAPPY

夕日の海辺でフリスビーを愉しむロキシー

犬という存在が家族に教えてくれたことは?

「犬は過去も未来も見つめることをせず今を精一杯生きていて、誰を恨むことも妬むこともしないで、大好きな人がが落ち込むと寝ていても駆け寄って寄り添ってくれます。
みんなが笑顔だと一緒に笑顔です。
犬ってなんて健気で素晴らしいいきものなんでしょう。
私もどんな時も寛容な心と笑顔で思いやりを持って、そして今を精一杯生きようと、いつでもそれを教えてくれる、そう思わせてくれる存在です。

ハワイの人は犬を見かけると『スペシャルドッグ』や『ナイスドッグ』とよく声をかけてくれます。その中でも一番嬉しいのは、最近言われることが多くなった『ハッピードッグ』という言葉です。
私たちもロキシーへ向けて『ハッピードッグ』と声をかけています。

出会った時、『これからはロキシーのことをいっぱい幸せにしてあげよう!』と心に決めていましたが、それ以上に幸せにしてもらっているのは、今では私たちの方です。

犬の愛情の深さは本当に素晴らしいです。」

ロキシーと由美子さんのベストプレイス

「思い出の場所とかでなく、ロキシーが一番好きで思い浮かんだ場所___それは、海です。
ロキシーは海で暮らせる位に海が好きで、海にいればずっと元気でいれるんじゃないかという気さえしてるんです笑
将来ロキシーを介護する時が来ても、ほとんどの日を海で過ごすと思います。」


編集部です。お二人が撮るロキシーの写真はハワイという感動的に美しいその大地の上で、いつも笑顔で生き生きと輝いています。そして、そのロキシーの周りの人たちもまた同じように笑顔が広がっています。
犬という存在に触れることで人はどうしてこれほどにまで満たされ、勇気付けられ、愛を感じることができるのでしょう___約3万年前から伴侶として人生を歩んできたと言われる人間と犬。
その関係性は時代が変わった現代でも、科学的な根拠だけでは説明できない深い絆と愛情の繋がりを感じます。
犬と歩む人生を1度でも経験した人はきっと、その不思議な感覚を味わうことでしょう。
そして、彼らの存在の大きさと温もりを忘れることはないでしょう。

スエノブ由美子さん、ロキシー、ご協力をいただき誠にありがとうございました。

 aloha.roxie

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VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

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