2020.02.13.THU.

【ドッググルーマーコラム】保護犬に誰よりも早く寄り添う存在として(前編)

〜グルーマーが行う犬の保護と仕組み〜

文=ドッググルーマー 安部 まゆこ

保護されたその瞬間からセッションが始まる

保護犬に対して、グルーマーがアクションできること。
真っ先に思うのは、グルーミングです。
しかし長い放浪生活をして保護された犬は、毛がもつれて塊になりまるで鎧のよう。
毛玉がひどく全身の皮膚がひきつれて身動きできない状態の犬もいます。
そんな時、グルーマーなら誰でもその犬のケアができるかというと、そうではありません。
もちろん技術は最重要ですが、専門の道具も様々必要です。
皮膚と被毛の根元1mmあるかないかの僅かな隙間に、ハサミなど刃物を入れなければならない場合もあります。

その時、怖くてひどく暴れる犬もいます。
そんな時は、やはり多くの経験値が必要です。
暴れる犬に対して状況により対応を瞬時に使い分け、適切にケアをしなければなりません。
保護をした犬の心に恐怖心や不信感を抱かせないように…慎重に。
保護されたその瞬間から その犬とのセッションが始まります。

グルーマーは、その犬の顔や目つき、耳の動き、しっぽの角度で、今どんな感情であるかを見抜けるように勉強します。

それは、どんな犬でもグルーミングをする上で最も感じてあげなければならない彼らの大切なコミュニケーションやボディーランゲージ。
でも保護した犬は、なおさら彼らからの発信を感じ取る意識が必要です。

人や犬と自然に接する中で日々変化していく

保護した犬に愛情を伝えることも重要ですが、同時にマナーを教えないと新しい飼い主に譲渡することができません。
グルーマーが一時預かりをし、サロンで保護する保護犬の場合、来店する犬やその飼い主さんに、保護犬を見てもらうことで、人に慣れたり、犬に慣れたり日々変化をしていきます。
慣れなくても、無駄に吠えないようにしたり、ホテルでお預かりの犬と同じような待遇でごく自然に・・・そして、習得した方が良いことは変化をキャッチしながら繰り返しトレーニングします。

グルーミングサロンだからこそできる保護活動

近年『動物保護活動』という言葉があたり前になりました。
その活動に関わる人たちのボランティアの形として、グルーミングはもちろん、トレーニング、猫の場合、なんらかの原因で親猫が居ない乳飲み仔の猫にミルクをあげるミルクボランティアもあります。
さまざまな繋がりで、保護した犬に知らないことを伝え、暮らしやすく整えてあげる。これが私たちグルーマーにできる保護活動だと思います。

サロンのオーナーが、その保護活動を受け入れてくれると、フード、シャンプーカット、保護スペース(ケージやクレート)が、保護犬のために使うことができます。元々、通常営業時にその施設や設備等を保有しているため、一般の方が保護するより格段に費用がかかりません。

全国のホテル併設サロンが、最寄りの愛護センターや保健所から1頭づつレスキューすることができたら…おそらく地方だとしても安楽死はほぼゼロに近くなるかもしれません。
そして今、その方向に一番近いのが日本だとも言われています。

海外の保護活動はエンターテインメント!

海外の動物保護事情と日本の違いとして、最も異なるのはエンターテインメントの差です。
特にアメリカの場合、保護した犬の新しい飼い主探しは一大イベントです。
富裕層はより多くの資金を寄付することがステイタスという文化が根付いています。
そのため、動物保護施設も寄付で設立された民間施設と公共施設があります。
また、譲渡に際し、保護された犬の新しい家族になるためには何回も施設へ出向き面接を受け、希望する犬との相性なども詳しくチェックを受けて決定します。

▷フォスターサロンジャパン

保護された動物をグルーミングサロンで一時的にボランティア活動として預かり管理を行うサロン一覧

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